無思考の休日

思い立ったときに少しずつアップします。主張があるわけではありません。遅筆。

味噌ラーメンと欧米人

(「餃子と日本人」からのつづき)

カウンターの私の右側は常連らしき男性で、おそらく日本人であった。店員と話しながら数種類の餃子を食べている。
左側は欧米人らしき男性、私の中では勝手にドイツ人と決めつけたが、やはり1人で餃子などを頼んでいる。

やがて右側の男性が出ていき、カウンターの客は私と欧米人のふたりになった。欧米人はメニューの味噌ラーメンの写真を見て、店員にあれこれ尋ねている。私もその味噌ラーメンは気になっていたが、餃子とビールでそれなりに腹が満たされていたので、注文はしなかった。欧米人は味噌ラーメンを注文した。

それほど待つこともなく、欧米人の前に味噌ラーメンが出された。想像よりかなりボリュームがあったらしく、驚きと困惑の顔で店主らしき男性に何やら話しかけている。もちろん言葉はわからないが、食べきれる量でないことは確かなようである。

私は内心、彼が私に味噌ラーメンを半分すすめてくれないものか、と考えていた。私も全部は食べきれないが、半分なら美味しく食べられると思ったからである。
しかし彼は、初対面のゆきずりの人間にそんなことをしそうには見えなかった。私も初めての相手に気さくに話せる性格でもなく、言葉もわからない。

こうして私はその日、味噌ラーメンを食べ損ねた。

(もう少しつづく→「写真の顔と中国人」へ)